エネルギー教育全国協議会
サイトマップ お問合せ
エネルギをー考える。
ホーム
組織について
シンポジウム
エネルギー関連施設見学会
参考教材
おすすめサイト
おすすめエネルギー授業
お問合せ
シンポジウムのようす
シンポジウムインデックスへ戻る
第26回エネルギー教育シンポジウム in 仙台
基調講演
基調講演
「子どもの未来とエネルギー教育」
向山 洋一氏

■1人の問題児を変えた向山式実践授業
 岡山県のとある小学校に、授業中に3人もの教師が張り付いて見張りをするほどの問題児がいた。県下でも名の知れたベテラン教師もお手上げ状態だったのだが、TOSSに参加している若い教師がTOSSの授業方法で接したところ、2ヶ月半で成績優秀で素直な生徒へと変化した。表情も優しくなり、友達とトラブルを起こしても素直に謝れるようになった。
 ここで重要なのが、生徒の基礎学力をいかに保障するかということである。つまり、時間数を増やしたり指導内容を増やしたりすることが基礎学力の修得に直結するわけではなく、先生の教え方こそがその生命線であるということである。

■普通学級に2人はいるADHDの生徒
 ADHD(注意欠陥多動性障害)と呼ばれる障害を持つ生徒は、日本の障害を持った人の約5%、普通学級に2人はいるといわれる。こういった障害を持った生徒というのは、障害に対する教師の理解によりすばらしい能力を発揮することが多い。つまり、潜在能力の高い生徒が多いのである。
 しかしそれが理解されず、教師が生徒の本質を理解しないことで、学校生活上に不適応などの問題が生じたとすれば、それは教師の責任である。
 生徒の基礎学力を伸ばすこと、それは21世紀の教師たちの大事な使命であるが、すべての生徒、とりわけ勉強ができない生徒や障害を持った生徒について、特に教師は勉強をする必要がある。

■特に大切なエネルギー教育
 21世紀に必要な学習として特に注目されるのは、エネルギー教育である。エネルギー問題は、太平洋戦争や湾岸戦争などがそうであったように、多くの戦争の原因になる可能性を含む複雑な問題だからである。
 例えば世界有数のジャイアント油田を保有しているナンサ諸島では、中国やインドネシアなど様々な国がモザイクのように領有権を争っている。ここでは領有権を争うだけではなく、各国により軍事施設を造り上げられている。それぞれの国が自国の領土だと主張し、戦闘状態、一触即発状態になっている。このように国と国との争いにまで発展するエネルギー問題の現実を、生徒たちに正しく理解させる必要がある。

■「夜の地球」ポスターを使用して
 そこで有効なのが、様々な教材を使った授業方法である。その例として「夜の地球」のポスターがある。「夜の地球」はNASAが写真を撮りスミソニアン博物館が作成したポスターである。これを使って、実際に生徒たちに視覚的に地球上の様々な光〜オーロラ、都市の灯り、漁火、石油・油田・廃油を燃やす灯り、焼畑・山火事〜を見てもらい、エネルギー環境の現状や省エネの大切さを伝える。また、石油はどの灯りの部分から輸入しているか、どのルートを通るのか、そのルートは危険ではないのかなど、実際に自分たちで見て考えさせる。21世紀型の教育は、こういった教材を使いこなすことで、より実態として理解させることが必要だろう。

■あと何年で原料はなくなるか
 もう一つ、今後の授業内容として考えるべきことは、原料・原材料の可採年数についてである。「世界各国はだんだんと石油がなくなっていくのにどのような方針を取ると思うか」「数年後の自動車はどうなっていると思うか」など、具体的に状況を想像させ、日本の進むべき方針を考えさせるのである。
 しかし現段階でそのような資源の代替エネルギーとなりえるものは、ウランの再利用しかない。それを活用すればあと1000年か2000年はエネルギーを保つことができる。さらに、再利用技術は日本が世界の最先端をいっている。
 そのような事実をきちんと提示し、生徒たちに予測をさせ、議論をさせることが大切である。そして必ず生徒たちを励まし、人類が多くの困難を乗り越えてきたことをしっかりと伝える必要がある。

■新しい学習指導要領に向けて
 新しい学習指導要領では、生徒の学力をより保障する方向に内容が改訂されている。例えば、評価方式が相対評価から絶対評価に変更されている。これは単に評価の仕方が変わったということではなく、教師が持たなくてはならない責任の度合いが変わったということを意味している。つまり、学校は実行責任と説明責任を持つことになるのである。
 ここで大切なことは、生徒たちに大切な基礎学力をつけさせること、そしてそのために生徒1人1人を大切にし、実態を見極めることである。教師としては大変なことが多くなると思われるが、一緒に意味ある仕事、価値ある仕事として頑張っていきたい。
前のページへ戻る
シンポジウムインデックスへ戻る
Copyright © energy kyoiku zenkoku kyogikai.All rights reserved.
※当サイトに掲載しているPDF・記事・写真・図表などの素材に関して、学校授業以外の無断転載・利用を禁止します。